「日本は絶対に負けない!」と叫ぶほど負ける
最近、中国や台湾、さらには韓国にまで、日本が“負けた系ニュース”をやたらと多く見かけないだろうか。例えば、ざっと目についただけでもこんな調子だ。
・『王者だった「ニッポン半導体」が負けた訳』(東洋経済オンライン12月1日)
・『日本は20年後に経済規模で韓国に追い抜かれる-その残念な理由とは』(現代ビジネス12月12日)
・『管理職の日韓給与比較」どの職種も大きく水をあけられ大敗北という現実』(プレジデントオンライン12月14日)
愛国心あふれる方たちからすれば、このような記事は「日本をおとしめたい反日マスゴミのデマ」ということなのだろうが、残念ながら、日本の経済力、技術力が衰退していることは、さまざまな客観的データが物語っている。
もちろん、世の中には「日本の賃金は安くない!中国や韓国からもたくさん労働者が来ているのがその証拠だ!」とか「労働生産性なんてのは欧米がつくった数字のトリックだ!」とか「中国や韓国の方が商売上手なだけで日本の技術は今も世界一だ!」なんて感じで、これらのデータ自体が捏造・デマだと主張される方たちもいらっしゃる。
人は自分が信じたいものを信じる。なので、このような考え方をされるのも自由だし、他人がとやかく言うことではない。が、「日本の国益」という視点では、「ジャパン・アズ・ナンバーワンだ!」というような考え方はあまりよろしくないのではないか。
歴史を振り返ると、日本という国はこれまで、自分たちに都合の悪い客観的なデータを否定して、「日本は絶対に負けない!」と叫べば叫ぶほど事態を悪化させるという「負けパターン」を繰り返してきたからだ。