タリバン並みにたちが悪い日本の男女格差、小池発言が大げさではない理由写真はイメージです Photo:PIXTA

百合子節もある意味正しい…
男女格差がえげつない国・日本

「日本にはタリバンがいないのに、なんでこんなに女性の活躍が遅れてきたのか不思議に思う」――。

 自民党総裁選について尋ねられた、小池百合子東京都知事がこのように発言し、カチンとくる人が続出している。今回は高市早苗氏が立候補を表明しているが、実は自民党の長い歴史の中で、女性議員が出馬したのは2008年の小池氏のみ。この現実を女性の人権を抑圧するタリバンに引っ掛けるという“百合子節”で皮肉ったわけだが、これに愛国心溢れる方たちなどが猛反発しているのだ。

「なぜわざわざタリバンなんかを引き合いに出す!日本を貶める印象操作か!」
「女性だからという理由でゴリ押しするのではなく、実力のある人が活躍すべきだ!」

 不快になる気持ちも理解できるが、小池氏が“タリバンジョーク”を飛ばしてしまった気持ちもわからないでもない。

 日本のジェンダーギャップ指数は、156カ国中120位でG7内でビリというのは有名だが、タイ(79位)、インドネシア(101位)、韓国(102位)、中国(107位)とアジア内でもかなり低い。むしろ、チュニジア(126位)、エジプト(129位)、ヨルダン(131位)、レバノン(132位)と中東諸国と同じグループといってもいい。

政治の面では、アフガニスタンよりもひどい!?
なぜ日本は悲惨なのか

 しかも、「政治への関与」というスコアで見れば、イスラム世界より女性に厳しい。タリバンが政権を奪取する前のアフガニスタン(111位)、サウジアラビア(138位)、シリア(142位)、ヨルダン(144位)を見上げる形で、日本はなんと147位。少し前、サッカーのクラブW杯が開催された際、王室メンバーが女性審判を「無視」して握手さえしなかったと話題になったカタール(148位)と大差のない、「男女格差がえげつない国」というのが、国際社会における日本の評価なのだ。

 という話になると、「こんな指数は信用できない!」「日本の男女平等文化は数値化できない」といういつものちゃぶ台返しが聞こえてきそうだ。