政治家の失言2021、日本中を騒然とさせた5つの発言とはPhoto:Pool/gettyimages

早いもので2021年もあとわずか。今年の総決算ということで、政治家の失言を振り返ってみたい。今年のビッグイベントといえば、東京五輪。世界中から批判を浴びた発言も、今年のもの。もう忘れていたという人もいるのでは?(フリーライター 鎌田和歌)

「女性のいる会議は時間がかかる」

 後年から振り返っても大きな失言だったと報道されるに違いない2021年のナンバーワン失言はやはりこれだろう。

「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」(2月3日、森喜朗五輪オリンピック・パラリンピック大会組織委員会長=当時)

 日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議会での発言。翌日4日に「謝罪会見」を行って沈静化を図ったものの、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会会長の言葉として海外メディアでも大きく報じられ、12日に辞任表明となった。集まったオンライン抗議署名は15万筆を超えた。

 五輪を控えた時期の大失言として印象深いが、時期が2月ということもあって今年の失言だということを忘れそうだ。オリパラ自体、なんだかとても昔のことのように感じるのは筆者だけだろうか。

 この機会に、発言の詳細を今一度振り返っておこう。スピーチの中にはこんな発言もあった。

「女性っていうのは競争意識が強い。誰か1人が手を挙げて言うと、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです」

 これがツイッター上の一般人の発言ならば「主語が大きい」というリプライで淘汰されていくのだろうが、元首相によるお話だけに、その場では止める人がいなかったようだ。

「私どもの組織委員会にも女性は何人いたっけ? 7人くらいか。7人くらいおりますが、みんなわきまえておられて」

 この発言をきっかけに、「#わきまえない女たち」のハッシュタグも盛り上がった。

 個人的にはこの時期に瞬間的に流行した音声SNS・Clubhouseで、多くの人がこの失言について議論を交わしていたのが思い出される。

 ちなみにあまりにもこの失言が大きく報じられたために影が薄いが、森氏はこれ以外にも「コロナがどういう形であろうと必ずやる」(2月2日)、「(コロナ感染対策で)人気のあるタレントはあまり人が集まらないところを走ったらいいんじゃないか。田んぼ(の沿道)で走ったらいいんじゃないか」(同)などと発言し、そのたびにひんしゅくを買った。森氏の発言がきっかけで、お笑いタレントの田村淳さんは聖火ランナーを辞退した。