もう一つの理由は、売買の難しさである。プロが買うとなると、小型株を少量買うといっても、一般投資家が買う数量よりは格段に大きな数量を買うことになる。小型株は取引量がそれほど大きくないので、プロが買い注文を出すと、それで値段が上がってしまったり、売り注文を出すとそれで値段が下がってしまったりしかねない。

 株価暴落の際に売りたくても売れない、という点もプロが小型株投資をしにくい理由といえるかもしれない。一般投資家であれば、株価暴落時に買い注文が出てこなければ、諦めて相場の回復を待てばよいが、プロは売るべきときには売らなければならないので、取引が成立しないと困る、ということもありそうだ。

地元銘柄なら情報面で比較優位に

 プロが参戦しない市場であれば、相手は自分と似たような一般投資家であろうから、情報面で不利になる可能性は低い。地元企業であれば、他の投資家よりも情報量が多いこともあり得る。

 例えば、地元のレストランチェーンが最近混んでいるという情報は、地元に住んでいないと得られない。地元の投資家は、情報面で他の投資家より有利ということになる。そこで、そうした銘柄を購入し、次の決算を待つという戦略を取ることができる。

 次の決算の数字が大幅増益になっているならば、他の投資家はそれを見て驚き、買い注文を出すだろう。それによって株価が上がったところで売り抜ければ、かなり高い確率でもうけることができよう。

 あるいは、レストランチェーンの味がよくなった、という情報があれば、次第に客が増えるだろうから、今回の決算時に売らずに次の決算のときにさらに増益になることを期待するのも手だ。