投資の初心者が大型株でなく小型株で勝負すべき理由写真はイメージです Photo:PIXTA

大型株への投資はプロとの真っ向勝負になり、初心者では歯が立たない。一方、小型株はプロが投資しない銘柄も多いので、初心者でも勝機がある。初心者が勝つすべを探ってみよう。(経済評論家 塚崎公義)

小型株にプロが投資しない理由

 株式市場では、プロもアマも対等な条件で戦っているが、当然ながらプロのほうが情報量も多く、スキルもあろうから、初心者がもうけるのは容易ではない。特に、多くのプロたちが積極的に取り扱っている大型株への短期投資でもうけるのは困難だ。

 相場全体が上がっているときはプロが大きくもうけている間に自分も少しもうかるが、相場全体が下がっているときはプロが少し損している間に自分は大きく損する、といったことにもなりかねない。

 そこで筆者は、初心者には投資信託の積立投資を勧めている。しかし、そうはいっても個別株に投資するのが投資の醍醐味(だいごみ)だ、と思っている人も多いだろう。

 個別株で勝負する場合には、プロと真っ向勝負をする大型株ではなく、プロがあまり参戦しない小型株の世界で戦うという選択肢も検討の価値がある。プロの投資家は、小型株の売買はあまり行わないので、一般の投資家でも勝つ可能性が小さくないからだ。

 大型株とは、時価総額が大きくて活発に取引されている銘柄のことで、小型株は時価総額が小さくて取引量が少ない銘柄のことだ。

 プロが小型株投資を行わない理由は二つある。一つは、その銘柄を買うべきか否かを調査するコストの問題である。大型株を大量に買う場合でも小型株を少量買う場合でも、調査のコストがそれほど変わらないのだとすれば、大型株の調査をしたほうが効率的だからだ。