長期投資でも小型株にはメリットがある?

 株式投資には、長期投資と短期投資がある。短期においては、株価の変動は美人投票的な要素が大きく、プロの情報量とスピードが大いに有利に働くため、プロに勝つのは容易なことではない。したがって、短期投資の場合には大型株よりプロが参戦しない小型株が有利だということになる。

 一方、長期投資については、企業が生み出す価値を皆で分け合うと考えれば、大企業であっても投資をする余地がある。じっくり企業の研究をして10年後も利益を稼いでいそうな企業を探せばよいのだ。

 しかし、それでも小型株投資にはメリットがあると考えられる。なぜなら、地元での評判などの情報は、企業の長期的な成長を予想する際にも役立つからだ。

 例えば、レストランチェーンが株主優待を発行しているなら、それが利用できるのも地元投資家の利点であろう。優待券を使って料理を楽しみ、株でもうけ、しかも地元企業を応援できるのであれば、素晴らしいことだ。

 そうしたことも考えると、短期投資に限らず、長期投資においても地元企業への投資はメリットがあるといえそうだ。

売りたいときに売れないリスクには要注意

 問題は、上記のように、小型株の場合には売りたいときに売れないリスクがあることだ。株価が暴落すると、買い注文が引っ込んでしまう可能性があるからだ。

 株式市場全体が暴落した場合には、売らずに持っていればよい場合が多いので、問題は軽微だ。しかし、個別株に悪材料が出て株価が暴落した場合には、急いで売るべき場合も多いので、売れないリスクは深刻なものとなりかねない。

 市場全体が暴落したときには、「ろうばい売り」をする初心者が多い。この世の終わりが来そうな気がしたり、これ以上の値下がりには耐えられないと感じたりして、冷静さを失って売ってしまう、すなわちろうばい売りをしがちなのだ。

 しかし、これは避けるべきである。まずは冷静になろう。市場全体が暴落したときは、落ち着いて待っていれば相場が戻る場合が多いのだから。

 一方で、個別企業について悪い情報が出て株価が暴落した場合には、損切りをすべきことが多いようだ。買った値段より安く売る「損切り」は、損が確定しまうので嫌う投資家も多いが、そこは割り切って売ることが必要になる。

 そんなときに、損切りをしたくても売れない、といったことが小型株の場合には起こり得るので、その可能性をあらかじめ覚悟しておこう。

 本稿は、以上である。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織などとは関係がない。また、当然であるが、投資は自己責任でお願いしたい。