相続税・贈与税には「連帯納付義務」という規定がある。兄弟姉妹間でモメないための事前調整について、税のプロが教える。※本稿は、内藤 克『残念な相続〈令和新版〉』(日経プレミアシリーズ)の一部を抜粋・編集したものです。
15年も前の相続について
税務署から督促状が届いた!
今から7年ほど前の相談者との会話です。
「先生、大変なことになりました」
「一体どうしたんですか」
「実は15年前の母の相続のときの相続税を、弟が払っていなかったようなんです。それで税務署から、私に払うようにと通知が来ているんですけど……」
「あなたの分でなく弟さんの分ですか?」
「ええ、そうなんです。私の分は期限内にきちんと納めたんですが……」
「それは“連帯納付義務”についての督促ですね。税務署に確認してみましょう」
税務署から届いた通知書をよく読んでもらったら、「あなた以外の他の相続人も含めて連帯納付の義務があるので、みんなで話し合って払ってください。さもないとどなたかの財産を差し押さえることになります」という結構ドッキリする内容でした。