コロナ禍から企業が復活するのは一体、いつになるのだろうか。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、7〜9月度の鉄道(私鉄)編だ。
東急電鉄、小田急電鉄、西武鉄道も?
私鉄の業績が「見かけ以上に苦しい」ワケ
鉄道(私鉄)の主要5社が発表した7〜9月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯東急電鉄(東急)の運賃収入
7月度:前年同月比108.7%(8.7%増)
8月度:同97.2%(2.8%減)
9月度:同95.3%(4.7%減)
◯小田急電鉄の運輸収入
7月度:前年同月比111.1%(11.1%増)
8月度:同96.8%(3.2%減)
9月度:同95.8%(4.2%減)
◯京王電鉄の旅客運輸収入
7月度:前年同月比108.4%(8.4%増)
8月度:同96.8%(3.2%減)
9月度:同95.5%(4.5%減)
◯東武鉄道の運輸収入
7月度:前年同月比107.5%(7.5%増)
8月度:同97.5%(2.5%減)
9月度:同97.9%(2.1%減)
◯西武鉄道(西武ホールディングス〈HD〉)の運輸収入
7月度:前年同月比104.4%(4.4%増)
8月度:同95%(5.0%減)
9月度:同92.1%(7.9%減)
今回取り上げた5社の21年9月度の業績に注目すると、92.1〜97.9%を記録している。前年割れは起こしているが、大崩れはしていないように見える。
しかし、9月度の表面的な数値を見ただけでは決して分からないが、5社は非常に苦しい状況にある。業績データを時系列で確認しながら、その理由を深掘りしていこう。