習氏の過剰なマネジメント、従う官僚は右往左往Photo:VCG/gettyimages

 中国の習近平国家主席は今年、政府の教育担当者に短い指示を出した。同氏は1000億ドル(約11兆4000億円)規模に上る民間教育サービス産業を改革したいと考えていた。同業界は、裕福な家庭の子どもには有利に働くが、そうした余裕のない家庭には不安を与えているとの懸念が浮上していた。

 指示を受けて教育当局は計画案を作成した。9年生(中学3年生)までの子どもに個別の学習指導を受けさせる際、新たな制限を設けるなどの内容が盛り込まれた。この取り組みをよく知る複数の関係者は語る。

 習氏から教育省に宛てたメモには、この計画では甘すぎる、と一文だけ記されていた。上記の関係者はそう明かす。

 習氏の機嫌を損ねてはならないと慌てた教育省は、制限対象を12年生まで拡大した。さらに全ての民間教育企業に対し、非営利組織として登録し直すことを義務づけた。