ほどほどに欲を持って生きよう

 ちなみに2009年にカトリック教会の半公式新聞が「重労働から女性を解放する重要なマイルストーン(目標を達成するのにどこまで進んだかをわかりやすくする指標)であった」と洗濯機開発について述べています。

 2009年にやっと述べられたのかという感じもしますが、とにかく人の「怠けたい、ラクしたい」という気持ちが、文化水準を大きく上げるためには必要不可欠なのです。

 動物は基本的に欲がないと生きていけません。食欲がなければ食べずに死んでしまいますし、睡眠欲がなければ過労死、全人類から性欲が消えたら人類は滅亡します。

 まず、「欲がある」ことがダメ人間じゃないこともハッキリとここで言っておきます。

 ダメなことは「欲深い」こと。何でも過ぎたるは及ばざるが如し。やり過ぎはどんなにいいことでも全てを台なしにしてしまうので、何事もほどほどに。

 ちょっとだけ欲を出して生きていいんだなと、まずはご理解ください。

 POINT:
 怠けたい、ラクしたい、がんばりたくない、努力したくないけど、どうにかなる方法を考えてみよう。

バク@精神科医
元内科の精神科専門医
中高生時代イジメにあうが親や学校からの理解はなく、行く場所の確保を模索するうちにスクールカウンセラーの存在を知り、カウンセラーの道を志し文系に進学する。しかし「カウンセラーで食っていけるのはごく一部」という現実を知り、一念発起し、医師を目指し理転後、都内某私立大学医学部に入学。奨学金を得ながら、勉学とバイトにいそしみやっとのことで卒業。医師国家試験に合格。当初、内科医を専攻したが、医師研修中に父親が亡くなる喪失体験もあり、さまざまなことに対して自信を失う。医師を続けることを諦めかけるが、先輩の精神科主治医と出会うことで、精神科医として「第二の医師人生」をスタート。精神科単科病院にてさまざまな分野の精神科領域の治療に従事。アルコール依存症などの依存症患者への治療を通じて「人間の欲望」について示唆を得る。現在は、双極性障害(躁うつ病)や統合失調症、パーソナリティ障害などの患者が多い急性期精神科病棟の勤務医。「よりわかりやすく、誤解のない精神科医療」の啓発を目標に、医療従事者、患者、企業対象の講演等を行う。個人クリニック開業に向け奮闘中。うつ病を経験し、ADHDの医師としてTwitter(@DrYumekuiBaku)でも人気急上昇中。Twitterフォロワー4.9万人。『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』が初の著書。