ウエディング業界の「覚悟」、第6波を想定した生き残りへの対応力とは写真はイメージです Photo:PIXTA

コロナ禍でウエディング業界は大打撃を受けましたが、コロナに翻弄されない「強さ」を身に付けてきました。コロナ禍の収束が見通せない中、2022年のウエディング業界はどうなっていくのでしょうか。(ウエディング研究家 安東徳子)

緊急事態宣言に翻弄された2年間の教訓

 2020年4月に出された1回目の緊急事態宣言後、大手のウエディング会場のほとんどが休館になりました。4回にわたる緊急事態宣言を経て、まだコロナ前の状態には戻ってはいませんが、ウエディング業界に耐性がついたことを実感しています。

 この約2年間で得た教訓は「待たない」ということです。緊急事態宣言が発令され、その都度、自粛すべき内容に基づき対応していくうちに、多くのウエディング会場が「待つのではなく、今、できることをする」という姿勢になっていきました。東京都の1日の感染者が5000人を超えた昨年夏の第5波のときには、すでに多くの会場が「コロナに翻弄されない」といえる強さを身に付けていたと思います。

 これは、新型コロナウイルス感染症の情報自体が少なかった1回目の緊急事態宣言時とは異なり、正しい知識を持って感染対策を取れば、結婚式や披露宴を開催することは可能であると分かったことが大きいです。

 特に、披露宴はコース料理が主流のため、マスク会食がしやすいこともあり、感染者を出すことなく実現できました。そういった一つひとつの積み重ねで自信を深めていったのです。

 そして、何より支えになったのは、結婚式を挙げたいというお二人の熱意です。ウエディング業界に30年以上いる私にとっても、ウエディング業界のポテンシャルの高さを再認識した2年間でした。