長年、ベンジャミン・グレアムもバフェットも気質の重要性を論じていたのだが、私は株式がどれだけの価値を持つかを解明することに精を出して、その考えを脇に置いていたのだ。株式市場に投資することを人々が難しいと感じれば感じるほど、私の説明はより詳細になった。そして、あの土曜日の朝、私は最も大切なアドバイスを軽く見ていたことに気づかされたのだった。

バフェットの原点から探る

 マネーマインドを持つとは、どういうことなのか。この疑問について考え、詳細に分析することが本書の目的である。

 そのためにまず、始まりの場所からスタートしよう。初期にバフェットに影響を与えた人々を紹介すると、皆さんは驚くかもしれない。例えば、『賢明なる投資家』を初めて読むより10年も前に11歳のバフェットが近くの図書館で見つけたある本に大いに興味を持ったこと。F・C・ミネイカーの『1000ドルを手に入れる1000の方法(One Thousand Ways to Make$1000)』は彼のマネーマインドの原型をつくるのに役立った。あるいは、バフェットの投資哲学をつくり上げることに彼の父親が果たした役割と影響はこれまであまり書かれていなかった。あるいは、バフェットが若い頃にファイナンスと投資について手に入るすべてを学んだことはよく知られているが、同時に合理主義と実用主義というマネーマインドを真に獲得するための二つの重要な要素も育んでいたこと。

 そして、マネーマインドをつくり上げるための基礎を手にしたあと、彼がどのようにその考え方を駆使し、その後65年間の投資を成功させてきたのか。これからのブロックを一つずつ積み上げて心の枠組みを形成し、最終的にマネーマインドを持つ人間になる様子を追っていきたい。

 そして、高速で変化しメディアがはやし立てる世界で、そのような人間がどうやって最適なポートフォリオを組み上げられるのかを示そう。そのうえで、マネーマインドを獲得した投資家こそ成功する可能性がはるかに高いことを主張したいと思う。

マネーマインドがある人とは?

 いつも的確なバフェットは、マネーマインドという言葉で、複雑な概念に印象的な名前を与えた。この記憶に残る言葉で、彼はあるときは資産配分などのファイナンスの考え方を示す。あるいは、現代のビジネスの世界を生きるための総合的な心構えを示す。この言葉は学習し、能力の限界に挑み、不要な雑音を遮断することを決意した人物を示す。

 また、さらに哲学的、倫理的なコアな部分では、投資だけに留まらない人生のあらゆる局面で成功する可能性の高い人物を示している。

 マネーマインドは強力だ。多くを学ぶべきである。