第6波に備える品川区
「保健所と医療機関の連携」と「診療科間の連携」

 品川区では、このときから工夫をして交代で自宅療養者への往診やオンライン診療の仕組みを整えました。今回、第6波に向けていつでも稼働できる状態です。

 第5波ピーク時では、保健所から自宅療養者にパルスオキシメーターを届けるというルールも一部機能しなくなりました。そこで当院では患者さんを診察するときに、「すぐにパルスオキシメーターを買ってください」とお願いしてフォローしました。

 第6波が第5波並みであれば、そして重症化率が高くならなければ、第5波ピーク時に確立した「医療連携スキーム」が機能していくでしょう。新型コロナで死なないことが一番重要ですので、そのために関係各所が十分対策を練っています。

 新型コロナ治療においては、「新型コロナの患者さんを診る医師が足りない」という声はそうは聞こえてきません。むしろ、診療科をまたいでの連携がとても大切です。

 例えば、東京都城南地区の基幹病院である荏原病院(大田区)は、東京都から新型コロナを中心に診る病院に指定され、外科を含めた非関連診療科の医師を動員した協力体制を整えたそうです。

 また、ワクチン接種前の問診であれば、内科以外のドクターも担うようにするというわけです。

 第6波に向けて、このような医療資源の臨機応変な連携が何よりも重要です。医師数が少ないから増やそうという単純な問題ではありません。

 2020年12月17日に厚労省から品川区にワクチン接種の前倒しの指示があり、品川区から荏原医師会に届きました。オミクロン株は待ってくれませんので、できる限りの対応を急いで整えています。オミクロン株の拡大を少しでも遅らせるために有効かつ必要な手段の一つですから、当然早く実施すべきです。

 年が明け、ワクチンの供給と配送の状況を見ながら医療従事者の接種からスタートしますが、3回目のワクチン接種まで8カ月の間隔が少しだけ前倒しになるという状況です。