――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJエグゼクティブ・ワシントン・エディター  ***  経済のグローバル化は、戦争を起こしにくくするはずだった。グローバル化が戦争をむしろ阻止しにくくすることをロシアの現在の行動が示しているとしたら、どうだろうか。  少なくとも過去10年間は、経済面での全世界的な相互依存が紛争発生の可能性を低下させるというのが、国際情勢に関する一般的な考え方だった。すべての国々が経済的にかつてないほど強く結び付いていれば、大規模な紛争が起きた際にはすべての国が苦難に直面する。そのため、軽々しくその危険を冒す者はいない。