有権者の熱気が乏しい“不毛な選挙戦”

 総選挙は最終盤に突入しつつある。

 しかし、今のところ選挙戦は、12政党の乱闘にもかかわらず、有権者サイドの熱気は乏しく、きわめて低調だ。風呂のお湯の表面だけが熱くなっているだけであった。

「入れる政党がない」、「入れる候補がいない」という有権者の声がこれほど多く聞かれる総選挙は今までになかった。

 もちろん有権者は今回の総選挙の重要性を熟知している。かつてない真剣な政治的関心を持って臨んでいる。だから、政党にも候補者にも一段と厳しく、それゆえに支持を決めかねているのだ。

 中盤までの世論調査は、自民党が過半数を占める勢いで、民主党は激減するものの100の大台を維持。第三極政党は予想されたほど伸びていない。そういうことだろう。

 この予想される退屈な選挙結果に多くの有権者がうんざりし、期日前投票が激減し、世論調査では「投票に行かない」人が増加している。

 要するに、年末のあわただしい中で、“不毛な選挙”が展開されているのだ。

最終盤で有権者の姿勢に変化が

 だが、最終盤になっても多くの真剣な有権者が、この不毛な選挙の不毛な結果を漫然として受け入れるつもりなのか。私はそうはならない可能性がまだ残されていると信じている。

 火曜日頃から「このままの流れを放置できない」という有権者側の姿勢が静から動に変わりつつあり、総選挙の雰囲気もかなり変わってきている。