21年のドル円相場のテーマ
12月にQTへシフト
21年のドル円相場のテーマは、1-3月期のバイデン米新政権による大規模財政支出から、6月には米利上げ開始時期の前倒し期待へと移り変わり、9月以降はインフレ加速による米金融政策正常化の更なる前倒しへとシフトした。
そして12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、利上げの次の金融引き締め策であるバランスシートの縮小(量的引き締め・QT)についての議論を開始したことを明らかにし、市場のテーマがQTに移りつつある。
前回の米金融引き締め局面を簡単に振り返っておこう。バーナンキFRB議長(当時)は13年5月22日、量的緩和縮小(テーパリング)の必要性に言及。その後、13年12月のFOMCで14年1月のテーパリング開始が決定され、14年10月に終了した。
そして次の段階として、FOMCは15年12月、利上げの開始を決めた。さらに、FF金利の誘導目標が1.00~1.25%へ引き上げられた17年6月にFOMCは、バランスシート縮小方針(「政策正常化の原則と計画に関する補遺」)を公表。同年9月のFOMCで10月からの縮小開始を決定した。