ペリクレスの時代
立命館アジア太平洋大学(APU)学長
1948年、三重県美杉村生まれ。京都大学法学部を卒業後、1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当する。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。2008年4月、生命保険業免許取得に伴いライフネット生命保険株式会社に社名を変更。2012年、上場。社長、会長を10年務めた後、2018年より現職。訪れた世界の都市は1200以上、読んだ本は1万冊超。歴史への造詣が深いことから、京都大学の「国際人のグローバル・リテラシー」特別講義では世界史の講義を受け持った。
おもな著書に『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『仕事に効く教養としての「世界史」I・II』(祥伝社)、『全世界史(上)(下)』『「働き方」の教科書』(以上、新潮社)、『人生を面白くする 本物の教養』(幻冬舎新書)、『人類5000年史I・II』(ちくま新書)、『0から学ぶ「日本史」講義 古代篇、中世篇』(文藝春秋)など多数。
平和を実現したペリクレスは、ペルシャ戦争によって破壊されていたアテナイの建築物の復旧に努めました。
今もアクロポリスの丘に美観を誇るパルテノン神殿は、彼によって再建されたものです。
ペリクレスは芸術にも深い興味を示し、彼と彼の愛人アスパシアがつくった文化サークルには、ソクラテスをはじめとして内外の文化人が参集しました。
アテナイの3大悲劇詩人、アイスキュロス、ソフォクレス、エウリピデス、さらには喜劇詩人アリストパネースが登場したのも、この時代です。
この頃のアテナイは、後の世に「ペリクレス時代」、「黄金時代」とも呼ばれました。
ソクラテスはBC469年頃に生まれています。
この年にペリクレスは26歳くらい。まだ存命中のエフィアルテスとともに、民主政アテナイの繁栄時代を築き始めた頃でした。
したがってソクラテスの少年期から青年期は、アテナイが一番平和な時代であったかもしれません。