中国政府は恣意的に
韓国企業を規制

 朝鮮日報は「中国の思い通りに規制…現代自の販売7割減、アモーレは店舗半数閉鎖」と題する記事で、韓国の対中ビジネスが縮小している現実を紹介している。

 韓国の化粧品大手アモーレは、中国で「Kビューティー(韓国化粧品)」ブームをリードしてきたが、THAAD配備問題で中国の業績が急落した。同社は今年、中国国内で展開する「イニスフリー」店舗280カ所のうち140カ所を閉鎖する計画だという。

 また、現代自動車グループは、16年に中国で179万台を販売し、市場シェアは10%に迫った。しかしTHAAD配備問題で不買運動が広がり、昨年の販売台数は約50万台に減少した。

 習近平国家主席の掲げる「共同富裕」によって賃金上昇が続き、生産拠点としての魅力も落ちてきた。中国に見切りをつける韓国企業はますます増えることだろう。

 中国政府は改革開放を機に導入した外資系企業に対するさまざまな優遇措置を縮小する一方、規制を強化し、中国に進出した韓国企業の不確実性は高まっている。

 韓国の財界団体・全経連(日本の経団連に相当)が最近中国に進出してから10年以上経過する512社を対象に調べたところ、回答企業の85%が「10年前より企業環境が悪化した」と答えた。

 中国で痛い目に遭った企業が増え、ここ数年で「中国市場撤退」の相談に応じる専門業者まで登場したという。韓国の中国ビジネスは曲がり角に来ている。

中国語学習の
人気は急落

 中国は2013年以降、韓国の最大の貿易パートナーだ。韓国の全輸出に占める対中輸出の割合は25.8%で、米国(14.5%)、日本(4.9%)を合わせた金額を上回る。

 それにもかかわらず、韓国において中国語人気は冷え切っている。22年度公立中等教員選抜予定公告に記載された中国語任用教師はゼロだ。20年度は43人、21年度は33人が採用されており、学校で中国語の人気が冷え込んでいることを反映している。

 16年のTHAAD配備問題に対する中国の報復で、中国からの観光客が途絶え、韓国ガイドを目指していた学生やサービス業従事者らが真っ先に中国語学習から離脱した。

 韓国の大学に留学する中国人は約6万人で外国人留学生の約半数を占めており、「中国人留学生がいなければ運営していけない」というほどである。だが、韓国の学生による中国離れは進んでいるようである。