アップル社内で「メタバース」はNGワード?

 セカンドライフでも同様だが、メタバースは新たなEコマースのステージとなる。さまざまなブランドがバーチャルなショップを開いたり、アバターをカスタマイズするアクセサリーや、よりリアルなものにするためのツールなどの分野に関してもビジネスチャンスが生まれたり、といった展開が見込まれる。

 年初にラスベガスで開催されたCES 2022でも、感染拡大で出展社数自体は2年前の半分に減少しながらもメタバース関連製品が目立ち、キヤノンのアメリカ法人も、同社のカメラと画像技術(+VRゴーグルとスマートフォン)を利用してアバターよりもリアルな擬似対面コミュニケーションを実現し、年内のサービス開始を目指すという「Kokomo(ココモ)」をいち早く発表した。

CES 2022でキヤノンが発表したKokomoの利用イメージ。VR対応カメラ、ヘッドセット、スマートフォンを使い、友人や家族と擬似的かつ仮想的に「対面」を可能にする Photo:CanonCES 2022でキヤノンが発表したKokomoの利用イメージ。VR対応カメラ、ヘッドセット、スマートフォンを使い、友人や家族と擬似的かつ仮想的に「対面」を可能にする Photo:Canon

 今年は、こうしたメタバース関連の市場参入の表明が相次ぐと思われるが、IT業界のトップ企業の一つであるアップルは、それとは距離を置く姿勢を見せている。同社のARグラス開発は公然の秘密であり、当初は消極的と思われたVRゴーグルに関してもプロジェクトを進行中と言われるにもかかわらず、社内ではメタバースに関する話題はご法度とまで言われるのはなぜか? その理由としては、以下の三つが考えられる。