マイクロソフトのメタバース対応ビデオ会議ツール「Mesh for Teams」で会議をしているところ。Webカメラの映像で参加している参加者と、Mesh for Teamsによるアバターでの参加者が混在している不思議なビデオ会議になっている(写真提供:マイクロソフト)マイクロソフトのメタバース対応ビデオ会議ツール「Mesh for Teams」で会議をしているところ。Webカメラの映像で参加している参加者と、Mesh for Teamsによるアバターでの参加者が混在している不思議なビデオ会議になっている(写真提供:マイクロソフト)

「メタバース」という造語が急速に注目を集めつつある。フェイスブックが社名を「メタ・プラットフォームズ」に変更して話題を呼んでいるほか、11月2日(米国時間)にはマイクロソフトが、ビデオ会議・コラボレーションツール「Teams」をメタバース対応にすると発表している。実はこのメタバース、これまでにも何度も注目され、ブームになりかけては消え去っていくことを繰り返してきた。しかし、今回のメタバース・ブーム、どうやら本物かもしれないと多くの業界関係者が思い始めているのだ。(テクニカルライター 笠原一輝)

過去何回か盛り上がりかけた「メタバース・ブーム」

 メタバース(Metaverse)という言葉が誕生したのは1982年。アメリカの作家ニール・スティーヴンスンのSF小説『スノウ・クラッシュ』の中で、人間がアバターという分身に化けてネット上に構築された仮想空間でさまざまなやりとりをする、そういうことを「Meta」と「Universe」から合成して「Metaverse」と呼んだことが始まりとされている。

 基本的には、インターネット上に展開される仮想スペースにアバターという自分自身の化身となるキャラクターになりきって、他のユーザーとコミュニケーションする事を「メタバース」と呼んでいると考えて間違いない。SFの世界ではメタバースの概念は一般的で、前出のスノウ・クラッシュの他にも、さまざまな作品に登場する。日本でもアニメ映画「サマーウォーズ」(2009年)の中で「仮想世界OZ」として登場し、主人公がその仮想世界で大活躍する様子が描かれていた。

映画「サマーウォーズ」(公式サイト)映画「サマーウォーズ」(公式サイト)