もっと恐ろしい発言は、国家安全保障会議(NSC)の元高官でトランプの副補佐官も務めたフィオナ・ヒルの口から飛び出した。

 CBSニュースの番組に出演した彼女によれば、熱狂的トランプ支持者による昨年1月の連邦議会議事堂襲撃は、民主党政権を2024年に転覆させるための「ドレス・リハーサル(本番前の舞台稽古)」だったというのだ。

 今は姿を潜めている極右勢力がトランプの扇動に呼応して中間選挙や次期大統領選に向けて再び活動を活発化させると。

陰湿で卑劣な
投票抑圧の企て

 実は、暴力よりももっと卑劣で陰湿な企てがすでに進行している。「投票抑圧」だ。

 前回の大統領選挙は「不正選挙」だったと根拠のない主張を続けるトランプに同調する共和党は、郵便投票の制限、身元確認の厳格化、投票所の削減、投票時間の短縮など、ありとあらゆる手段を使ってライバル陣営の投票を阻もうとしている。

 米ブレナン司法センターによると、昨年だけで全米50州のうち49州で440本以上の投票規制強化法案が提出され、少なくとも19州(ほとんどが知事や州議会多数派が共和党)で投票を抑圧する法律が成立している。今年に入ってその勢いはさらに加速しているという。