トランプ前大統領2020年の大統領選挙での敗北を不服とするトランプ前大統領の意向を背景に、選挙への政治の介入を容易にする試みが各地で進められている Photo:Michael Zarrilli/gettyimages

トランプ氏、「再出馬」に向け布石
選挙運営への影響力強化を狙う

 中国やロシアを意識した「民主主義サミット」を開催し、民主主義国家のリーダーとして指導力をアピールするバイデン大統領だが、足元では自国の選挙制度が形骸化しかねない動きが広がる。 

 2020年の大統領選挙での敗北を不服とするトランプ前大統領の意向を背景に、選挙への政治の介入を容易にする試みが各地で進められているからだ。

 各州の選挙管理の責任者である州務長官の選挙で身内と考える候補を支持したり、支持者には選挙管理委員会や投票所のボランティアの応募を呼び掛けたりするなど、選挙の投開票や集計、選挙結果の承認など、選挙運営自体に影響力を強めようとする思惑からのようだ。

 トランプ氏の24年大統領選挙への出馬をにらんだ動きは、米国の民主主義をむしばみかねない危うさを持つ。