分権、独裁、分権がドイツの歴史

 長らく分権的だったドイツが、第一次世界大戦や世界恐慌を経て、ついには独裁者のヒットラーを生んでしまいます。

 ヒットラーについてはあらゆる論説がありますが、第一次世界大戦後のドイツは分権による権力の分散化がうまく働かず、敗戦国となって経済的に困窮しました。自信を失い、弱ったところに人の心をつかむことに長けたポピュリストが誕生し、人心を掌握したということだと解釈しています。

 戦後のドイツは、中央集権制度の反省から国家制度を整えていきました。その結果、現在のドイツは再び分権性の強い連邦国家となりました。

 ドイツはポーランドを分割したり、東ヨーロッパで脅威となったりした負の歴史を持ちます。しかし、戦後はヨーロッパ以外の移民も受け入れ、EUでは経済的救済も行い、世界の経済大国としての義務をしっかりと果たし、贖罪も十分にしたといえるのではないでしょうか。