仕事や人間関係…しんどいことが多い、という人にぜひ読んでもらいたいのが、「メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術」(わび著)だ。著者のわび氏は元幹部自衛官としてエリート街道をひた走っていたが、上司のパワハラと早朝深夜の激務が重なりメンタルダウン。復職を果たした後、「出世ばかりが人生ではない」「人に認められるためではなく、もっと楽しく生きたい」と思い、転職。現在は外資系企業の社員として活躍している。自衛隊などの社会人経験で身につけた仕事術、メンタルコントロール術についてツイートした内容が人気を集め、Twitterを開始して2年半でフォロワーは12万人を突破、10万超えいいねを連発し、ネットメディアにもたびたび取り上げられている。仕事・人間関係で生き抜く知恵が詰まった本書。今回は、発売を記念して特別に本文より一部抜粋、編集して紹介する。
「次の瞬間、お前が死んだら誰が結論を報告するんだ!」
「報告するときは、まず結論から」
ビジネスではよく言われることですよね。私は幹部自衛官になりたてのころ、結論から話すのが大の苦手でした。
報告の前置きが長い私に対して、いつもは温厚な中隊長にキレ気味にこう言われました。
「まず結論から話せ! 次の瞬間、お前が死んだら誰が結論を報告するんだ!」
暴論だなとは感じましたが、効果抜群の指導により、おかげさまで仕事では結論から話せるようになりました。
この内容をツイートしたところ、22万いいねをもらいました。
たくさんの人が、「結論から話すことの難しさ」の壁にブチ当たっているのだと思います。
現代人の集中力の持続時間は「8秒」
結論から話すことは大切ということはわかっていても、相手にわかりやすく話そうとすると、つい前置きが長くなってしまいますよね。
マイクロソフトの研究チームの発表によると、人間の集中力の持続時間は8秒だそうです。集中力の持続時間についてはさまざまな説がありますが、「全集中」できる時間はとても短いです。
一番言いたいことを最初に話すことで、何について話すのかを相手に深く印象づけることができ、そのあとに理由などを話すと、相手の理解度も上がります。
このようなもっともな理由はさておき、「次の瞬間、死ぬかもしれない」「だから本当に伝えたいことを最初に伝えるんだ」という心構えを持っていると、とっさのときに大事なことから伝えられるようになります。
なお、自分が結論から話すのはいいですが、相手にも結論から話せ、と求めすぎるのは危険です。
私はプライベートで、「つまり?」「だから?」など、妻に結論を求めすぎて、たまに自爆しています。自戒です。
ビジネスとしての会話ではなく、会話自体を楽しむときは、結論ありきでなく、相手とその場を楽しむようにしましょう。
(本原稿は、わび著『メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術』から一部抜粋・改変したものです)