感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

精神科医が教えるクレームで心が折れない対処法イラスト:カツヤマケイコ

いったん冷静になって状況を分析

きょうのひとことは、
「クレームは、いわれるほうが悪いわけじゃない」

「クレーム」というと、商品やサービスに対する苦情を思い浮かべる人が多いかと思います。

「クレーマー」という言葉があるように、商品の欠陥や、客への対応の仕方などについてしつこく苦情をいってくるようなケースです。

今回とりあげたいクレームというのは、そういうことだけでなく、一般的にネガティブなことをいわれることについてです。

「ディスられる」ともいわれるような、否定したり侮辱されたりしたときのことを含めて考えてみたいと思います。

多くの人は、他人から悪くいわれることに慣れていませんから、ネガティブなことをいわれると、大なり小なり、心が傷ついたり凹んだりするでしょう。

人間の本性を善とみる性善説というわけではありませんが、人は本来“お人好し”ですから、誰かから文句をいわれたり怒られたりしたら、「自分が悪いな」「申し訳ないな」と思うものです。

しかし、そうではないケースも多いのです。

というのも、本当にあなたに問題がある場合、なにかを改善してほしいという場合は、怒りをぶつけたり怒鳴ったりしません。

あなたにちゃんと伝わるように、「こういうふうにしたほうがいいんじゃないかな」みたいないい方をしてくるはずです。

怒りに任せて感情的に文句や苦情をいってきたり、必要以上にしつこくいい続けてくる場合、それはあなたのことを思っての発言ではありません。

無理難題をふっかけたいとか、自分のことを優先してほしいとか、そういった意図が隠れていることが多いでしょう。

なんらかの理由があっても、たいていの人はクレームをつけません。つまり、黙っていることのほうが多いわけです。

本当に相手が悪いと思ったら、むしろ関わろうとしなくなることのほうが多かったりします。

あえてクレームをつけてくるということは、相手を自分の思い通りにしたいというような意図が隠れていることが多いわけです。

もちろん、全部が全部そういうわけではありませんが、クレームをつけられたからといって、それを全面的に受け止めて、心を凹ませる必要はないということです。

商品やサービスのクレーム対応として、なんでもかんでも相手がいうことに折れるのはよくないということを聞きますが、それは自分に対して文句をいってくる人への対応でも同じことがいえます。

大切なことは、「なんでこういうこといってくるんだろうか」と冷静に考えてみたり、「こんなことをいわれたんだけど、どう思う?」と第三者に客観的な意見を尋ねてみることです。

そして、ある程度、ちゃんとその背景を検討してから対応する、あるいは対応しない。

誰かから文句をつけられたからといって、闇雲に自分を責めて、心を凹ませたり心を折ったりするようなことになると、かえって状況を悪化させることがあるので、いったん冷静になって、状況を分析してみましょう。

きょうのひとことは、
「クレームは、いわれるほうが悪いわけじゃない」
でした。

参考になったかしら?