コロナの重症化リスクが高い子どもの特徴とは?「喘息」は関連する?Photo:PIXTA

 基礎疾患のある成人は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患時の重症化リスクが高いことは、パンデミック初期から明らかになっている。それと同じことが子どもにも当てはまることを示唆するデータが、10カ国で行われた国際共同研究(PERN-COVID-19)の結果として報告された。米ルリー小児病院のTodd Florin氏らの研究によるもので、詳細は「JAMA Network Open」に1月11日掲載された。

 PERN-COVID-19は、2020年3月~2021年6月に重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の検査を受けた18歳未満の未成年が登録されている前向きコホート研究で、米国、カナダ、イタリア、スペイン、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールなどの10カ国、41施設が参加して行われた。

 解析対象は、救急部門(ED)を受診しPCR検査でSARS-CoV-2陽性と判定された患児3,221人。その年齢中央値は3歳(四分位範囲3~10)で、男児が52.6%であり、自己申告による何らかの基礎疾患を有する患者が15.0%を占めていた。

 このうち735人(22.8%)が受診後14日以内に入院し、107人(3.3%)が重篤な転帰(急性呼吸窮迫症候群、敗血症、心血管イベント、心不全、陽圧換気や体外式膜型人工心肺・腎代替療法を要する状態など、および死亡)に至り、うち4人が死亡した。一方、ED受診時に入院を要さないと判断された患者2,510人のうち、後に入院を要したのは50人(2.0%)で、12人(0.5%)が重篤な転帰に至っていた。