固定概念を取り払うと見えてくるもの
固定概念に縛られなくなって初めて、「人生に正解はないのが正解である」という真実が腑に落ちる。これを球体思考という。すなわち、物事を平面的ではなく、球体のように全方向的に捉える思考である。仕事の仕方にも、人生の歩み方にも、正解などない。にもかかわらず、私たちは正解探しをしながら仕事や人生を歩む傾向があるようだ。間違いたくないと思うからだが、そもそも正解がないのだから、間違いもない。
またどんな時代にも絶対に効果的な手法や、絶対に売れる製品などというものも、この世には存在しない。時代背景に応じて、最適な手法や製品は常に変化していく。だから今、自分が出来るベストを実践して運を切り開いていくことこそが、一番重要なのだ。正しさにこだわっていても、人生はスムーズに動いていかない。
第2回記事(『幸運を引き寄せる陰陽論の「4つのキーワード」とは?密教阿闍梨が解説』)で解説した通り、「(宿命+環境)×在り方=運命」である。従って、今この瞬間の在り方・捉え方次第で、人生は大きく変化していく。
今回は仕事は仁徳で、他者をお守りし、お役に立つ仕事の仕方をすることが、結果的に大きな成果を生み出すことにつながるとお伝えした。全5回の連載をお読み下さり、本当にありがとうございました。皆様が仁義礼智信の五徳を人生に取り入れて、より善き豊かな人生を歩んで頂ければ幸いである。悪い事の後には必ず良い事を体験する。陰陽の等価交換法則である。だから何があってもクヨクヨする必要はない。不安を感じる必要はないのだ。
最後に、一休和尚の言葉を贈ろう。「人生は成るように成る」。