人生の運を切り開いていくにあたっては、個人の努力もさることながら、国家の運気を正しく知ることも重要です。本書『「自分」の生き方』には、辛い中にあっても自分を失わず、自分だけの人生を、自分らしく生きるための考え方を密教の阿闍梨であり陰陽五行の第一人者である著者が対話形式、小説仕立てで解説しています。連載3回目の今回は、国家、特に経済がどう発展していくのかを解説します。(密教阿闍梨・経営コンサルタント 小池康仁)
国家は「50年サイクル」
前回記事(「幸運を引き寄せる陰陽論の『4つのキーワード』とは?密教阿闍梨が解説」)は人生の道を切り開くという観点で、個人の運命を開花させる公式の解説をした。今回は東洋哲理の観点から国家運気を考え、時代背景、特に経済がどう発展するのかを解説する。
東洋哲理では、国家や会社組織は50年1サイクルで巡っていると説く。動乱期(不景気10年)→習得期(不景気5年と好景気5年)→平和期(好景気10年)→庶民期(好景気10年)→権力期(不景気10年)という50年1サイクルを巡るのだ。不景気は25年、好景気も25年。これを大きく繰り返していく。
不景気は、前の好景気で作り上げた古いパラダイムを壊し、より良いパラダイムを構築する。「破壊と再生」の役割を担うものだ。続く好景気は、不景気で作り上げた新たなパラダイムやプロトコルを発展させ、開花させる役割がある。
不景気も好景気もそれぞれが相互依存の関係にあり、互いに影響し合っているのだ。従って帝王は目先の数年だけを観ていては判断ミスをする。最低50年、出来れば100年先を見据えた意思決定をする必要がある。
国家のスタートは憲法施行日、会社のスタートは会社登記日(定款日)となる。日本国の憲法施行日は1947年5月3日なので、スタートして75年目を迎える。好景気と不景気の50年の1サイクルを巡り終わり、現在は2サイクル目の好景気の11年目になる。東洋哲理の見方では、日本国家は好景気(好景気と言ってもずっと右肩上がりではない)が残り15年あるという事になる。