薬を飲む女性オミクロン株にも漢方の効果があることが分かった。自宅療養中に飲むといい漢方とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

新型コロナウイルスのデルタ株が猛威をふるっていた昨年9月、『新型コロナと速効!漢方』(青春出版社)という本を著しました。その中で、漢方薬には速効性があり、新型コロナのような急性感染症に対して、感染予防はもとより、諸症状の改善や重症化を防ぐ効果があること、そしてそれは入院できない自宅療養者とって“最強の武器”になることを、漢方薬の処方例とともに紹介しました。とても大きな反響があり、本サイトにも『新型コロナ感染・予防に効く「漢方薬」とは?重症化を防ぐ切り札となるか』として一部を掲載しました。第6波を迎えた現在、「オミクロン株にも漢方薬が使えますか?」という問い合わせが多く寄せられたので、続編としてオミクロン株を退ける漢方的戦略をお話ししたいと思います。(医療法人徳洲会日高徳洲会病院院長・医学博士 井齋偉矢)

感染症の特効薬として開発された漢方薬

 現在、新型コロナウイルス感染症の経口治療薬(飲み薬)として、ファイザー社製の「パクスロビド」、メルク社製の「モルヌピラビル」が承認されています。しかし、対象が重症化リスクのある軽症から中等症となっているため、すべての感染者に投与することはできません。結局、重症化リスクの少ない人は、自宅待機または宿泊施設療養という名のもとに放置されているのが実状です。

 さらに、オミクロン株の急激な感染拡大により、濃厚接触者と認定され、自分が感染しているかどうかもわからないまま、自宅待機している人の数も爆発的に増えています。そうした医療難民ともいうべき人たちが、不安な日々を乗り切るうえで、漢方薬は大いに役立ちます。