終えるのに要する時間など、具体的な数字を出して断るのは効果的だ。はっきり断れば、逆に関係を改善することにもつながる。

◇余計なひとことはなぜ出るか

「ちゃんと聞いてるの!?」。よかれと思いながら、つい余計なひとことを発してしまう。このような人は「お節介焼きタイプ」である。子どもの時に、「あなたはお兄ちゃんなんだから我慢しなさい」などと言われると、不自由さとストレスを感じて、すべてに対して絶望的な感覚に陥るものだ。そこで、「他人の気持ちを考えると、自分のストレスに向き合わなくて済むこと」を学習してしまう。だから、「人の気持ちばかりを考える」ことがやめられなくなるのだ。

 でも、その思いはストレスからきているので、相手のことを考えていても、「相手は不幸になる」とネガティブな思考しか湧いてこない。幻の「そこにある危機」と勝手に焦って、相手への怒りが止まらなくなってしまう。

 もしそうなったら、「自分はお節介タイプだから、人のことばかり考えて相当脳にストレスが溜まっているんだな」と認めよう。好きなことに取り組んでストレスを解消する方向に動き出せるはずだ。

 また、「私はこう感じている」という表現を使うことも有効だ。「話を聞いてくれないと私は寂しい」というように伝えると自分の気持ちが発散されるので、脳にストレスが溜まらなくなり、結果として相手を傷つけることも減っていく。

◇ミスの繰り返しを止める

 仕事で同じミスを繰り返すと、なぜだろうとみじめな気持ちになる。叱られることへの不安で疲れてしまう。このような人も先述の「英雄タイプ」の可能性が高い。「みんなを自分が守らなければならない」という強い責任感から、相手の不快な感情さえも全部自分が引き取ってあげなければと思ってしまうのだ。それに、「英雄だから完璧だ」と思い込む特徴も持っているため、細かな確認を疎かにしてしまいがち。

「人間だから失敗もする」と気づくことが先決だ。そして、自分の呼吸に注意を向けて、「今ここでやるべきこと」に気持ちを戻す。怒られている未来や失敗した過去ではなく、今だけに集中できれば、ミスがなくなる。