わざと悪い相手を選んで自分が傷つくことで、相手に罪悪感を与え、「被害者」として相手の人生をコントロールしようとする心理メカニズムもある。成功ではなく、失敗や屈辱などによって満足を得る習慣がついている可能性がある。「自分の予測した不幸が現実になる満足」を選択してしまうのだ。こういう人は、自分が傷つくやり方ではなく、楽しいことでも絆を深められることに気づくことが大切である。

「この人は私じゃないとだめなのだ」という「自己万能感」で何事も受け入れ、相手を変える“神”のような力があると思い込むタイプもいる。しかし、人間には「恒常性」があるので、たとえ一時的に「いい人」になっても、必ずダメな人に戻ろうとする力が働くのだ。それで余計に酷い目に遭う。自分の「万能感」に気付いて、「私がやらなくてもいいんだ」と考えられるようになろう。

◆素直になれない自分を変えるトレーニング
◇徹底的に相手を真似る

 肝心な場面でつい余計なことを言ってしまう「痛い人」はいるだろう。これは性格ではなく習慣の問題なので、簡単に解消できる方法がある。

 たとえば、周りに「面白い人」と思われたいのに「場の空気を盛り下げる最低なやつ」という方向にいってしまいがちな人には、「乗っ取りモード」が役立つ。相手に注目を向けて、相手のやることなすことすべてを真似するのだ。相手の脳を真似するミラーニューロンが活性化し、相手の考えていることがわかるようになる。結果として、苦手な上司でも素直に尊敬できる気持ちになり、関係が劇的に改善することもある。

◇身体ごと相手に合わせる

 相手が楽しいかを気にかけすぎて、自分の気持ちとずれてしまう。自身が本当に楽しめているかわからなくなる時はないだろうか。

 それを解決するのに有効なのが「中心を当てる」メソッドだ。自分の身体の中心を意識し、それを相手の身体の中心に合わせる。眉間からおへそにつながる身体の中心ラインから、まっすぐ相手までレーザーの照準が当てられているイメージをしてみよう。言葉だけでなく身体も相手に合わせる。すると不思議と相手と心が通い、「なんだか楽しい!」となるのだ。

◆ダメな自分はすぐ治せる
◇思い込みや先回りの不安を一瞬で消す

 周りの目や評判を気にして、本当はやりたいことを我慢する。本当は就きたい職業があるのに周囲の意見を意識した仕事を選んでしまう。