3人の子供の教育費、目安はいくら?
住宅ローンの支払い見通しはどうなる?

 Bさん一家が現在保有している金融資産額を確認しましょう。現金100万円、解約返戻金の多くなる保険の払込みが300万円、個人年金保険が170万円、つみたてNISAが夫婦合わせて160万円です。保険の払込金額は貯蓄額と考えて試算を続けます。すると、合計で730万円保有していることになります。

 先ほど試算したように、Bさんが60歳になるまでの29年間でできる貯蓄額は4032万円でした。金融資産額と合計すると、4762万円確保できることになります。

 次に、子どもの教育費について確認しましょう。子どもの進路は全員大学のみ私立への進学を希望しているので、中学校150万円、高校150万円、大学を500万円とします。すると、1人当り800万円になります。

 教育費は右肩上がりで上昇が続いていますので、少し余裕をみて1000万円とすれば、3人で3000万円です。

 金融資産は4762万円準備できるため、教育費3000万円を差し引くと、残りは1762万円になります。

 1762万円の余裕があれば、教育費が想定よりかかったとしてもカバーできるでしょう。その場合、Bさん夫婦の老後資金はあまり準備できないことになりますが、今回はBさんが60歳まで正社員で働く想定で試算しています。そうすると、Bさんは厚生年金が手厚くなるうえ、退職金があれば全額老後資金に回すこともできるのではないでしょうか。

 Bさんによると、住宅ローンは63歳で完済する予定となっていて、「繰り上げ返済で50歳くらいまでには完済を目指したい」とのこと。この希望は、子どもを3人授かった場合は難しいかもしれません。教育費が想定以上にかからなかったときに検討してみてはいかがでしょうか。