虎の子クレベリン巡る「大幸薬品VS消費者庁」全面戦争の行方Photo:Diamond

 いまや、“全面戦争”の様相だ。

 消費者庁と「ラッパのマーク」の正露丸でおなじみの大幸薬品である。1月20日、消費者庁が大幸薬品に対し、同社が販売する二酸化塩素を活用した「クレベリン」商品のうち、置き型以外の4商品について優良誤認させるとして景品表示法に基づく措置命令を行ったと発表した。発表が伝わるや、大幸薬品株はストップ安……。

 むろん、大幸は即時に反論。「クレベリン商品の措置命令に対する仮の差し止めの申し立てを行い、1月12日に東京地裁から置き型について勝訴している。置き型以外の商品は東京高裁に即時抗告を申し立てている。そんななかでの措置命令は遺憾であり、必要な措置を講じる」と反発した。仮の差し止め訴訟中に、措置命令を出すとは卑怯千番。許し難いと言わんばかりである。

 それというのも、クレベリンは同社のドル箱商品。2005年に「空間除菌ができる」という謳い文句で販売したのが大当たり、新型コロナウイルスが拡大した20年には正露丸を追い抜き、同社の売上げの8割を占める商品に成長した。だが、新型コロナのワクチン接種が進んだ昨年は売上げが激減。そんな折の措置命令は同社にとっては大打撃になりそうだ。今後、どういうことになるのか――。