
『週刊ダイヤモンド』2月26日号の第1特集は「東証再編 上場廃止ラッシュ」です。東京証券取引所の市場再編が間近となりました。新市場プライムなどの上場基準に満たず、改善計画書を出した企業は約560社。数年以内に基準をクリアできなければ上場廃止です。「上場廃止危険度ランキング」など九つの独自ランキングで、上場廃止ラッシュの真相をあぶり出します。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
背伸びプライム企業の多くが
「数年以内に上場廃止」に
「背伸びをして最上位のプライム市場にしがみついた上場企業の多くが、数年以内に確実に上場廃止に追い込まれる事態になる」。大手証券幹部は、こう警鐘を鳴らす。
この「上場廃止ラッシュ」こそが、東京証券取引所による市場再編が引き起こす「最大のインパクトである」とも強調している。

東証1部、2部、マザーズなどこれまでの市場区分が4月からプライム、スタンダード、グロースの三つに再編される。上場維持基準が大幅に引き上げられ、企業は基準に抵触していないかどうか、毎年チェックされるようになる。
「世界経済をリードする企業向け」と位置付けられるプライムでは、英文などの情報開示が新たに義務付けられる。上場維持費用も上昇するのだ。
冒頭とは別の大手証券幹部は「上場基準未達でプライムに残留する296社のうち、生き残れるのは1割程度」と予測する。