感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!

【精神科医が教える】他人に振り回されないシンプルだけど大切な「たった1つ」の考え方イラスト:カツヤマケイコ

迷ったらルールは守ろう

きょうのひとことは、
「例外は認めないほうがいい」

きょうはちょっとおカタい話をしますね。

「例外のないルールはない」なんてことがいわれます。

たしかにそうかもしれませんが、基本的にはルールに例外を認めないほうが、いろんなことがスムーズに運びます。

それに対するアンチテーゼが、「例外のないルールはない」ということ。つまり、例外というのはレアケースであり、基本的にはルールに例外を認めないほうがいいということなのです。

頭が固いと思われそうですが、仕事でもプライベートでも、安易に例外を認めてしまうと、規範となるルール自体が揺らいでしまいます。

ちょっと特殊なことが起きたり、判断の難しい曖昧なことが起こったりしたとき、ルール上はアウトなんだけど、まあなんとなく特別な感じがするから、今回は例外扱いしようかどうかと悩むことがあります。

例外扱いしようかどうか判断に迷うときは、基本的に例外を認めないほうがいいでしょう。

規範となるルールを運用するときは、例外扱いするかどうか迷った時点でアウトにすべきで、例外扱いしないほうがいいという話です。

例外を認めはじめると、究極的にはなんでもありになってしまいかねません。そうするとルール自体の意味がなくなります。

そもそも必要だからルールができたはずですから、例外を認めるかどうか悩んだときの判断はNO(認めない)という大前提にしたほうが迷いもなくなります。

これはプライベートな、マイルールでも同じです。

『「関わらないほうがいい人」の一番の特徴とは?』という記事で、自分だけ得て人には与えない「テイカー(得る人)」には関わらないほうが無難だという話をしました。

仮に「テイカーに関わらない」というマイルールを設けたとしたら、例外を認めず、基本的には一切関わらないと線引したほうがいいということです。

ルールに縛られすぎて、考え方が硬直しないような配慮は必要ではあります。しかし、それでもなぜルールを守ったほうがいいかというと、例外への対応のほうが、はるかに労力を要するからです。

「この人はテイカーだ」とわかっていても、情に流されたりして、例外扱いして関係性を持ったとすると、その例外扱いへの対応に多大な労力を費すことにもなりかねません。

例外扱いしたことによって生じる問題のほうがはるかに多いのです。

ただし、ときには迷いなく、即決で「今回は例外にしよう」ということもあります。

悩みなくそう思えるときは、例外にしてもいいと思いますが、どっちにしようかと迷った場合は例外を認めないという考え方がいいと思います。

気をつけなければいけないのは、仕事などで自分が判断する立場になったとき、「今回は例外にしてほしい」「今回は例外として認めてほしい」と懇願されるケースです。

それは相手側の問題であり、相手側の一方的な要求ですから、それを例外として認めてしまうと、雪崩を打ったように例外が増えて、大元のルールが機能しなくなってしまいかねません。

だからこそ、例外にしようかどうか悩んだ場合は、認めないほうがいいということです。

例外を認めるレアケースは、即決で例外だと認められる場合のみ。くり返しますが、即決できずに迷ったら、例外は認めないことです。

きょうのひとことは、
「例外は認めないほうがいい」
でした。

参考になったかしら?