感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!
怒りたくて怒ってるわけじゃないのに……なぜ?
きょうのひとことは、
「怒りが湧くときは、疲れている」
「怒り」の感情の矛先は、他人や世の中など、さまざまです。
いずれにしても、自分から見た相手の嫌なところや問題点を見過ごせなくなって生じる感情です。
そうした怒りの感情を抱くときは、自分に余裕がなくなっているともいえます。
身体が疲れていたり、ストレスがたまって心の余裕なくなっていたりしているときです。
怒りの感情が湧いてきたら、相手のことを悪く思うより、まず自分が余裕を失っていないかを胸に手を当てて、落ち着いて考えてみてください。
怒りにまかせて相手を責めたら、ケンカに発展して人間関係が壊れることもありますからね。
まずは、自分が疲れているんじゃないか、と思ってみるが結構大事です。
そう考えると、イライラしたり怒りの感情が湧いているときの多くは、自分が疲れていて、心に余裕がないときだと気づくはず。
心に余裕があるときであれば、おおらかに許せることでも、心に余裕がないと許せないこともあるでしょう。
たとえば、恋人同士や夫婦でケンカをしたり、仕事がうまくいかず、イライラしている状態で外へひとりで食事に出かけたとします。
その店内で、幼い子どもが騒いで走り回っていたら、イライラして強い怒りを覚えるかもしれません。
逆に、なにか良いことがあって、たとえば好きな人に告白したらOKをもらえたとか、仕事でめちゃくちゃ良い成果を出して表彰されたあとに食事に出かけて、同じように子どもが騒いでいても、「ああ、元気だなー」なんて受け流させると思うんです。
それぐらい人間の気持ちというものは、目の前に同じことが起こったとしても、自分の都合によって簡単に受け止め方が変わってしまうものなのです。
心の余裕を失っているときに子どもが騒いで怒りを感じたら、「他のお客さんもいるんだから、店内で子どもが騒いだらダメだろ。親がなんとかしろよ!」とか、自分の怒りを正当化する正論をかざしてしまう発想になりがちです。
でも、心に余裕があれば、そうは思わなかったりします。
強い怒りが湧いてくる根本的な問題は、あなたが疲れていて心に余裕がないことだったりするわけです。
身体の疲れや心に余裕がないことに自分自身で気づくことができれば、「いま疲れてるな、ちょっと休もう」とか「心に余裕がなくなってるな、深呼吸をしよう」と、自分をいたわるほうに思考と行動が向くようになります。
走っている子どもに怒りの感情を抱くより、よほど建設的に対処できるわけですね。
「自分の機嫌は自分でとりましょう」ともいえますが、とにかく怒りの感情が湧いたときには、相手をどうこうしようとか、責めてやろうという方向で考えるのではなく、まずは自分が疲れていて心の余裕を失っている可能性を考えてみる。
そうするだけでも、怒り感情にうまく対処できるようになるでしょう。
きょうのひとことは、
「怒りが湧くときは、疲れている」
でした。
参考になったかしら?