1980年の金価格がいくらだったかご存じでしょうか? 当時つけた最高値が1グラム=6495円でした。つまり今とそれほど変わりません。

 金価格のグラフを超長期で眺めると、1980年代、1990年代は1999年に962円の最安値を記録するまではずっと長期下落傾向で、それを底値に2000年代、2010年代とゆっくりと上がっていって、2020年のコロナ禍でようやく1980年の高値を超えて、今7791円になっている。今の金価格が続くかどうかは分からないというわけです。

「だったら、もう絶対に身に着けることがないダサいデザインのネックレスを一つぐらい売りに行こうかな?」とお考えの方も出てくるのではないでしょうか?

 今回の記事では、金価格はなぜ高騰したのか?どういうときに金価格は上がるのか?これからも上がるのか? そのような金の秘密について考えてみたいと思います。

金に価値があるのはなぜ?
三つの要因がある

 そもそも、金にはなぜ価値があるのでしょうか? 古代から現代にいたるまでの歴史上、金は常に最も価値あるものとして扱われてきました。金の価値を説明するための三つの要因を紹介しましょう。

(1)金の価値は、実は人間のDNAに刷り込まれている
(2)金の絶対量は極めて少なく、数の上限が限られている
(3)金の本質は成長資産ではなく不変資産である

 というものです。順番に紹介していきましょう。

 人間が黄金の輝きにひかれるのは、まだ人類がアフリカのサバンナで生活していた頃の記憶がDNAに刷り込まれているからだという学説があります。当時、狩猟民族だったわたしたちの祖先がサバンナで生き抜くために必要なものは水でした。