常に最新の機械を導入
=常に償却費が計上可能
新しい機械を常に導入することには、技術面、効率面以外にも大切な意味があります。
機械を購入すれば、耐用年数に応じて減価償却していきますが、反対に、償却費が少ない状況で利益を上げてしまえば税で現金が出ていきます。手元に現金が残りにくいだけでなく、結果的に、あとに続く投資もしにくくなります。
つまり、常に最新機械にするという経営は、常に改善、効率経営ができて利益が出る=減価償却費で会社に現金が残りやすくなるという、ダブルの効果を持っているわけです。
もしもこの流れを断ち切ってしまうと、効率面でライバルに遅れを取るばかりか、せっかくの利益も減ってしまい、ますます競争力を失ってしまいかねず、ダブルパンチです。
私なら、償却が終わっていない機械でも、効率がよくなるのならためらいなく変えます。あくまで効率優先、新技術優先です。
「人手が余っているのに、新機械?」
そんな勘違いが成長の機会を逃す!
機械を買うお金がない、というだけならまだしも、「ウチには最新機械なんて必要ない」と考えている経営者も少なくありません。
理由は単純。お金がないために投資できないし、そもそも仕事がなく従業員の人手が余っている状況で、効率を追い求める機械なんか必要ないだろう、という考えなのです。
私に言わせれば、その考え方は、倒産や廃業に向かう一本道です。
手が余っているからではなく、非効率、低品質だからこそ、注文が受けられないのです。いったいどこの得意先が、旧式の機械とヒマそうな従業員ばかりの工場に仕事を出すでしょうか?
そのくせ、非効率な生産ラインが偶然・幸運にも大量注文で稼働しはじめたら、あっという間に手一杯になってそれ以上は発注を受けられず、納期遅れ……。発注が来るかどうかは別として、もっと新しい仕事を得よう、得たいという気概くらいは持ちましょう。
仕事がないから、人手が余っているからという理由で投資を怠るのは愚の骨頂です。改善のチャンスを先送りし、合理化できないまま高齢化や少子化の影響を早晩もろに受けます。
投資はできない、最新機械なんて不要と言い張る経営者は、私に言わせればその時点でアウトです。もしもご自身がそんな考え方をしているのなら、非常に危険な信号だと反省し、気を引き締めるきっかけにしてください。