40歳を超えたミドル世代といえば、働き盛りを迎える人が多い。外食やコンビニ食で食事を済ませることが増えると、塩分過多や肥満に陥りやすくなる。ストレスをお酒で解消する人もいるだろう。

 お酒のつまみは味の濃いものが多く、少量といえども塩分含有量は侮れない。若い頃と比べて運動量が減っていると、汗として体外に排出される塩分量は減ってしまう。意識せずに過ごしていると、塩分の過剰摂取による高血圧リスクは上昇してしまうのだ。

かけうどんとミックスサンドイッチ
意外と塩分量が多い食べ物は?

 実は食塩摂取量は、日本よりもWHO(世界保健機関)の方が厳しい基準を設定している。WHOの基準では、1日の食塩摂取量の目安は5g未満。厚生労働省の基準は男性が7g未満、女性は6.5g未満だから、1.5g以上もの開きがある。これには、和食が塩分過多になりやすいということが関係しているのかもしれない。

 たとえば、忙しい日のランチにぴったりのかけうどんとミックスサンドイッチ。この2つの食事では、塩分にどのくらいの差があるだろうか。和食のかけうどんの食塩量が約5.6gであるのに対し、洋食のミックスサンドイッチは約3.2g。かけうどんに含まれる塩分の方が、約2.3gも多いのである。(参考:農林水産省「みんなの食育」

 もちろん、塩分をふんだんに使用したサンドイッチもあるので、必ずしも洋食が塩分控えめというわけではない。洋食はカロリーや脂質が高くなりがちで、和食とは異なる注意が必要だ。しかし、和食によく使用される醤油や味噌、漬物や干物などの加工品には、塩分が多く使用されている。

 和食は確かに低カロリー・低脂質で、ヘルシーな側面がある。ただし塩分摂取量には注意が必要だ。高血圧が気になる人は、和食に含まれる塩分を減らしてみてほしい。そのためにも、まずは味覚の改善から始めてみてはいかがだろう。

「ついつい醤油や塩をたくさん使ってしまうという人は、舌が麻痺しているので、そこから直していく必要があります。薄味になれてくると、舌が食材本来の味をキャッチできるようになります」(『医者が教える食事術 最強の教科書』より)