「優良荷主」が可視化される!?省エネ法で始まる物流業者の“格付け”制度 写真はイメージです Photo:123RF

経済産業省は、省エネ法でエネルギー使用量の報告を義務付けている「特定荷主」について、取り組み状況によって“格付け”する制度を導入する。エネルギー使用量をより精緻に算定できる方法に見直したうえで、ベンチマークを設定し、目標を達成した「優良荷主」を可視化する「荷主クラス分け評価制度」を2023年度以降に導入。省エネの成果を上げている荷主を適切に評価し、インセンティブを与えて取り組みを促す狙いがある。(カーゴニュース)

算定ツール、
2021年度中に試験的提供開始

 エネルギー使用量の算定方法の見直しでは、改良トンキロ法の「みなし積載率」の値についてより精緻に見直し、燃費が向上した車両を用いている場合には、改良トンキロ法を利用する荷主がその効果を反映できるようにする。また、積載量17トン以上の大きな車両を選択することも増えてきたため、新たに区分を設ける。

 自家輸送や委託輸送の専用便は、他貨物との按分等が不要で、比較的実測のエネルギー使用量が把握しやすく、燃料法や燃費法を選択することが望ましいとした。委託輸送の混載便でも燃料法や燃費法を用いている事例があり、こうした事例について横展開できるようベストプラクティスとして分析する。

 省エネ法では5月から、「省エネ法・温対法・フロン法電子報告システム(EEGS)」の運用を開始し、定期報告の作成や報告についてウェブサイトから一元的に実施できるようにする予定。報告の集計を自動化するなど事業者の負担を低減することができる算定ツールを、21年度中に試験的に提供を開始する。