トラック・バスメーカーのいすゞ自動車Photo:123RF

いすゞが電動化関連技術の開発に加え、販売戦略を強化して、よりスピーディーに電気自動車(EV)トラックの創出に取り組むことを期待したい。口で言うほど容易なことではないが、いすゞが進めるEVトラック戦略がわが国の自動車産業と経済に与える潜在的なインパクトは大きいはずだ。(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

いすゞのEVトラックが
自動車産業の巻き返しにつながる

 現在、トラック・バスメーカーのいすゞ自動車は、電気自動車(EV)のトラックの量産を目指している。いすゞは、航続距離の短さというEVトラックの課題を克服する技術的なブレークスルーの実現にめどをつけたようだ。それは、ハイブリッド車(HV)技術を重視し、結果としてEVシフトへの対応が遅れたわが国自動車産業の巻き返しにつながる可能性を秘めている。

 わが国にとって、自動車産業は経済成長を支える最重要の産業だ。言い換えれば、日本経済の自動車依存度は高い。今夏に東南アジアで新型コロナウイルス感染が再拡大したことで、車載半導体の生産が減少した。その結果、9~10月にかけてわが国の自動車生産と販売は大きく減少した。それは7~9月期のわが国GDP(国内総生産)がマイナス成長に陥った主たる要因だ。

 世界全体で今後、商用車と乗用車の両分野でEV化は加速するだろう。わが国の自動車産業は、EVシフトの加速という世界経済の環境変化に、より高い集中力を持って対応しなければならない。EVトラック分野でのいすゞの新しい取り組みは、わが国自動車産業、さらに経済の成長を支える重要な要素といえる。