トラック輸送で、高値が続く軽油と同様に必要不可欠な「尿素水」の価格上昇と供給難が顕在化してきた。尿素水はディーゼル車の排ガスを浄化する技術(尿素SCRシステム)に採用され、国内メーカーのトラックに搭載されている。原料価格の高騰により商品供給が滞り、とくに小口は品薄となっているという。尿素水がなければトラックは運行できず、物流に影響が出てくる恐れがある。(カーゴニュース)
補充するまでエンジン再始動できず
尿素SCRシステムはディーゼルエンジンからの排出ガスを無害化する技術で、国内ではUDトラックス、三菱ふそうトラック・バス、日野自動車、いすゞ自動車がこのシステムを搭載したトラックを販売している。
同システムは、専用の高品位尿素水「AdBlue(アドブルー)」を常時使用し、定期的に車両のタンクに補充する必要がある。尿素SCRシステムに補充することができるのは、「アドブルー」のみとなっている。
タンク内の「アドブルー」がなくなった場合、一度エンジンを止めると、補充しなければ再始動ができなくなる。ガソリンスタンドで補充することは可能だが、運送会社は「アドブルー」をきらさないようにインタンクを設置したり、予備を確保しておくことが望ましいとされている。