コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はスシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIES、くら寿司、カッパ・クリエイトの「すし」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
スシロー前年同期比2割増収
くら寿司は減収
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のすし業界3社。対象期間は21年8~12月の直近四半期(くら寿司は21年8~10月期、その他2社は21年10~12月期)の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・FOOD & LIFE COMPANIES(スシロー)
増収率:20.3%(四半期の売上収益716億円)
・くら寿司
増収率:マイナス6.2%(四半期の売上高370億円)
・カッパ・クリエイト
増収率:0.7%(四半期の売上高177億円)
※カッパ・クリエイトは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、当社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。
スシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIESは約2割の増収となった一方で、くら寿司は減収と明暗が分かれた大手2社。実はその背景には、「意外な事情」があった。
それぞれ増収、減収となった要因は何だったのか。次ページでは、時系列データを踏まえて詳しく解説する。