大ヒット「鬼滅の刃」
コラボ商品の勢いが止まらない
10月6日に『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が封切られ、全国各地の映画館のチケット窓口に行列ができた。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、閑散としていた映画館に、久々に活気が戻った。
なんと初日から3日間で興行収入は46億円、10日間で100億円を日本で公開された映画としては最速で超え、24日間で204億円を突破。歴史的なヒットとなっている。
コミックの売り上げは、発行ベースで電子版を合算すると、1~22巻累計1億部を突破した。
作品の驚異的な人気もさることながら、映画の公開に向けて繰り広げられてきた「鬼滅の刃」コラボ商品の勢いが止まらない。しかも、爆発的な売れ行きとなる商品が続出するすさまじさだ。
21世紀に入って大ヒットしたアニメ映画では、タイアップやコラボ商品を含めた経済効果が、2007年の「新世紀エヴァンゲリオン」シリーズ『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:序』で約1500億円。12年の劇場版「ワンピース」12作目『ONE PIECE FILM Z』が、同年度だけで約1000億円といわれている。
「鬼滅の刃」の勢いから見て、経済効果はこれら2作以上に達し、まだこれからもその効果は拡大していくと思われるため正確な数字は計り知れないが、最低でも2000億円以上の富をもたらす可能性が高いといえる。
『ONE PIECE FILM Z』は、「ワンピース」シリーズで最高となる68億7000万円の興行収入となった。既に今回の劇場版「鬼滅の刃」は、200億円を超えている。最終的には01年の「千と千尋の神隠し」の308億円を抜いて、歴代最高収入を更新するのも、現実的な数値として見えてきた。
「鬼滅の刃」は、新型コロナで大打撃を受けている日本経済、とりわけ飲食業や小売業、観光業を活性化する起爆剤になりそうだ。
劇場版「鬼滅の刃」のタイアップやコラボ商品の数は、版元の集英社ですら把握し切れないほどのおびただしさだという。ちなみに12年に公開された「ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:Q」では150社超からタイアップやコラボ商品が発売されている。ヒットアニメに、多くの企業が相乗りしていく構図は、今世紀になって年々強まっている傾向だ。