ドーナツ界の敗者クリスピークリームが「再上場で完全復活」できた2つの秘密Photo:123RF

 米国ビジネススクール講師である著者が、グローバル人材のための「決算書の読み方」を伝授する本連載。基礎編で学んだ決算書をベースに企業のビジネスモデルを検証していきます。

 今回は、日本でもおなじみのドーナツ専門店であるクリスピー・クリーム(正式企業名:Krispy Kreme Doughnuts, Inc.)について分析します。創業から90年近くの歴史を持つクリスピー・クリームはアメリカでは老舗ですが、日本での歴史は浅く、初上陸したのは2006年でした。

 実は、クリスピー・クリームは一時経営不振に陥り株式を非公開化しています。その後、2021年にNASDAQ再上場を果たすわけですが、それまでに彼らが打ち出したビジネスモデルについて考えていきたいと思います。

クリスピー・クリームのPLはどちら?

 ではいつものようにクイズから始めていきましょう。本日はドーナツを提供するクリスピー・クリームとダンキンドーナツを経営するダンキン・ブランズ・グループ(以下ダンキン)の2社を比較してみたいと思います。

 下のグラフは両社の損益計算書(以下「PL」)です。AとBどちらがクリスピー・クリームか当ててみてください。ただし、ダンキンは2020年に買収されたので2019年度のデータを使って、クリスピー・クリームと比較していきます。

ドーナツ界の敗者クリスピークリームが「再上場で完全復活」できた2つの秘密出典:ダンキンの10K(年次財務報告書)とクリスピー・クリームのS1-A(目論見書)より筆者作成
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