週末で混み合うパリ中心部の商店街モントルグイユ通り週末で混み合うパリ中心部の商店街モントルグイユ通り

 理由は、集中治療室の入院患者数や人口10万人あたりの新規感染者数など、フランス政府が定めた項目での感染状況が、基準の範囲内に収まる見通しであるためです。解除されれば、ワクチン接種をしていない(ワクチンパスを持っていない)人でも、レストランやバーで飲食ができるようになります。

 ただし例外もあります。病院、高齢者施設、障害者施設など、身体が弱い人がいる場所においては、引き続き衛生パス(ワクチンパスではなく)の提示が必要です。衛生パスとは、ワクチン接種証明、陰性証明、回復証明のいずれかの証明のことです。

 並行して同3月14日から、屋内でのマスク着用義務も、公共交通機関を除いて解除されます。今パリの町なかでは、外では多くの人がマスクをせずに出歩いていますが、それが屋内にも拡大されます。

日本の水際対策が緩和され
帰国時の負担が減少

パリ・シャルル・ド・ゴール空港の到着階パリ・シャルル・ド・ゴール空港の到着階

 日仏間を往復する際の入国制限の緩和も進んでいます。日本からフランスへ渡航する際には、2022年2月12日よりワクチン接種済みの場合は、今まで取得が求められていた出発前48時間以内の陰性証明(PCRまたは抗原検査)が不要になりました。ただし、ワクチン接種済みでない人は出発前48時間以内の陰性証明が引き続き必要です。

 一方で、フランスから日本へ入国する際も、2022年3月から日本政府の水際対策が大きく変更されました。ワクチンを3回接種済みであれば、今は入国後の自宅等待機が免除となっています。以前のように、入国したらすぐ自由に動くことができるようになりました。

 ワクチンを3回接種済みでない場合は、原則7日間の自宅等待機が求められます。しかしながら入国後3日目以降に、自主的に受けた検査結果が陰性であれば、自宅等待機の継続が不要になっています。また空港検疫での検査(検体採取)後24時間以内は、入国後の自宅等待機のために、待機場所である自宅などへの移動手段として、公共交通機関の利用ができるようになりました。