決算報冬・半導体Photo:123RF

コロナ禍が3年目に突入し、多くの業界や企業のビジネスをいまだに揺さぶり続けている。その対応力の差によって企業の業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大している。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクスなどの「半導体関連」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

東京エレクトロン、ルネサスが
前年同期比6~7割の大幅増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の半導体関連業界5社。対象期間は21年10~12月の四半期としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・東京エレクトロン
 増収率:73.6%(四半期の売上高5065億円)
・ルネサスエレクトロニクス
 増収率:64.1%(四半期の売上収益3144億円)
・アドバンテスト
 増収率:43.6%(四半期の売上高1121億円)
・レーザーテック
 増収率:45.9%(四半期の売上高278億円)
・ディスコ
 増収率:44.6%(四半期の売上高642億円)

※東京エレクトロン、ディスコは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。

 いずれも前年同期比で2ケタの増収を記録した半導体関連業界5社。特に東京エレクトロンとルネサスエレクトロニクスは、6~7割の大幅増収となっている。

 世界的な半導体不足が続く中、半導体関連メーカーには追い風が吹いているといえるが、この2社が飛び抜けて高い増収率を記録した要因とは何だったのか。

 次ページ以降では、各社の増収率の時系列推移を紹介するとともに、2社の増収要因について詳しく解説する。