金融政策決定会合後、記者会見する日銀の植田和男総裁 Photo:SANKEI
日本銀行の7月展望レポートは早期の追加利上げを示唆している。日銀は遅まきながら、基調的な物価上昇率が2%を超えないよう警戒するモードに転換した。金融政策運営の原則を外れない範囲で、為替相場の影響をより重視する姿勢も打ち出した。次回利上げは10月と予想するが、原油・為替相場次第では9月もあり得る。(SOMPOインスティチュート・プラス エグゼクティブ・エコノミスト 亀田制作)
日銀7月展望レポートの注目点
「ビハインド・ザ・カーブ」への警戒感が鮮明化
日本銀行は7月の金融政策決定会合で、事前予想通り政策金利を据え置いた。同時に公表された展望レポートでは、2026年度のコアCPI(消費者物価・除く生鮮食品)上昇率の見通し中央値が引き下げられた(前回+2.8%→今回+2.5%)。
もっとも、これは政府のエネルギー負担緩和策(夏場の電力・ガス料金の軽減)が主因と断言されている。基調的なインフレに対する日銀の見方が楽観方向に変化したわけではない。
また、今回の展望レポートでは、原油価格が一頃のピークより下落したことから、4月時点では懸念していた景気の大幅な下振れリスクと物価の大幅な下振れリスクは、ともに低下したと指摘している。
ただし、これも、本格的なスタグフレーション突入という最悪シナリオの可能性がおおむね消えたことを説明しているだけで、物価面のリスクの総合的な評価ではない。
むしろ、今回の展望レポートは、金融政策がインフレに対して後手に回る「ビハインド・ザ・カーブ」への警戒感を鮮明に打ち出している。次ページでは、展望レポートの注目ポイントを読み解くとともに、今後の金融政策について予想する。







