「あの人はいくつになっても若々しいよね」「えっ、そんな年とは思わなかった」と言われる人はどんなものを食べているのか、気になったことはありませんか? 肌が老化してしまう原因は、ストレスやホルモンバランス、紫外線などの影響もありますが、食事を変えることで改善できることも多くあります。今回から2回にわたり、「アンチエイジングと食」をテーマに、どんなものをどのように食べたらよいかなどについてお伝えしていきます。(管理栄養士 岡田明子)
肌になぜタンパク質が必要なのか
今回取り上げるのは、肌とタンパク質の関係についてです。
タンパク質は炭水化物、脂質と同じ三大栄養素の一つで、からだの筋肉や血液、皮膚、爪、臓器、ホルモン、消化酵素、免疫などを構成するのに欠かせません。肌の潤いを保つために必要なコラーゲンもタンパク質から作られます。シミやシワを防ぎハリのある肌をつくるためだけでなく、しなやかな体、筋肉を維持するためにもしっかり取りたい栄養素になります。
タンパク質を作っているアミノ酸は20種類あって、食事からしか取れない必須アミノ酸が9種類あります。これらは肉・魚・卵・牛乳のような動物性のタンパク質から取ることができるので、バランスよく食べることでコラーゲンを作り出すことができます。
取るべきタンパク質の適量と、
身近な食品に含まれるタンパク質量
日本人の食事摂取基準では男性は60g/日、女性は50g/日(18歳以上)を推奨量としています。タンパク質の必要量は「体重×1~1.5g/日」です。体重が60㎏の方の場合、1日に60~90g、1食あたり20~30gが必要ということになります。魚1切れや肉100gに含まれるタンパク質が約20g、卵1個に含まれるのが約6gなので、欠食していたり、主食だけ、サラダだけのような偏った食生活をしたりしていると不足しがちに。毎食片手の手のひらサイズのタンパク質を取ると理想的な量になります(詳しくは後述)。