まん延防止等重点措置などの感染抑制措置をどの程度続けるべきなのか、当初意見が割れていた。新規感染の抑制と経済活動の維持の間に二律背反があるためだった。
感染抑制措置に伴う民間企業の経済損失に対しては、政府や地方自治体はその損失を補填する政策対応を求められてきた。その中でも大きな政策が、政府が利子補給や債務保証を行うことによって実現している、特別貸付制度である。コロナ関連特別貸し付けの貸付額は巨額で、2020年だけでGDPの約10%に及んでいる。
特別貸し付けを通じた金融支援は、健全な企業の一時的な資金難を助けるのには有用だが、コロナの影響とは無関係に経営状態が芳しくなかった企業が貸し付けを受けるということも起こり得る。政府の債務保証が付くので金融機関の審査が甘くなるためである。